新刊紹介☆本多稲子『父の手』
2013-09-12


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福岡県朝倉郡出身で今は大阪市に住む本多稲子(いねこ)さんは74歳のとき、2008年10月に文校へ入学されました。それ以来、昼間部/詩・エッセイクラス(中塚鞠子クラス)で学び書くことまる4年。その卒業を記念して、一冊の本『父の手』(澪標 刊/私家版 )をつくりました。
4年間に書きためた詩、エッセイ計28編を収め、“あとがき”には「私の生涯に小さな花が咲いたような最高の喜び」としたためています。懐かしい思い出やふるさとの当時の情景を九州弁をまじえて描いています。
昭和17年ごろのことを思い出しながら、男手ひとつで5人の子どもを育てあげた明治生まれの父のことを描いた表題作「父の手」の冒頭は次のように始まっています。「鍛冶屋の父の手は深いしわと爪の中まで鉄粉が入り込んで/ごつごつと硬い黒い手/両手に唾をつけて髪をとかしてくれた」
題字はかつて文校でクラスメイトだった書家の堀井桃香さん。跋文は中塚チューター。

(小原)
[事務局日誌]

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